株式会社輪島屋善仁への寄付贈呈式に参列いたしました

新年1月10日、ロクシタンジャポン株式会社とホテル椿山荘東京の共催による、能登半島地震及び豪雨被災の復興支援として、株式会社輪島屋善仁への寄付贈呈式が行われました。
ロクシタン・プロジェクトに参画・協働したウルシネクストもお招きにあずかり、理事の佐々木と中根が参列いたしました。

写真左よりホテル椿山荘東京副支配人 小山雄一郎氏、ホテル椿山荘東京総支配人 千尋智彦氏、NPO法人ウルシネクスト理事 中根多香子、株式会社輪島屋善仁代表取締役社長 中室耕二郎氏、NPO法人ウルシネクスト理事 佐々木亨、ロクシタンジャポン株式会社代表取締役社長 木島潤子氏、ロクシタンジャポン株式会社常務執行役員 営業本部本部長 福島麻名美氏

輪島塗の伝統的技術の継承を目的に、ウルシネクストがロクシタンの協力パートナーとしてコーディネートおよびサポートした、ロクシタン×輪島屋善仁のコラボレーション「オスマンサス ウルシエディション」。
令和6年秋の商品の発売に向け、着々とプロモーション準備を進めている中、昨年1月、能登半島地震という未曾有の大災害が発生しました。輪島屋善仁の倉庫は全壊、社屋は半壊という甚大な被害を被りました。そして、半年以上を経て、やっと復興への一歩を踏み出したかと思われたその矢先の9月に、能登半島豪雨に見舞われました。

ロクシタン×輪島屋善仁のコラボレーション「オスマンサス ウルシエディション」漆の世界観をデザインで表現

こうした経緯から、輪島屋善仁の一日も早い再建のため、オスマンサスシリーズはチャリティー商品として販売され、その収益の一部が輪島屋善仁に贈られることとなったのです。この贈呈式において、ロクシタンから、オスマンサスシリーズの収益の一部と同社社員からの募金を合わせ、2,365,715円が輪島屋善仁の復興支援金として寄付されました。

ロクシタンジャポン木島社長から輪島屋善仁中室社長へ、寄付金目録の贈呈

ロクシタンの取り組みに賛同し、コラボレーションイベントを実施されたホテル椿山東京からも寄付目録が贈呈されました。
ロクシタン木島社長はじめ各代表の皆さまのスピーチでは、能登へ寄せる思いと「ここで繋がった素晴らしいご縁が、これからも末永く続いていきますように」という願いが述べられ、深く共感いたしました。

ホテル椿山荘東京 千尋総支配人から中室社長へ、寄付金目録の贈呈

ウルシネクストからは、ロクシタンとの取り組みについて、輪島塗の製造にも欠かせない道具である研磨炭の職人 木戸口武夫氏、優良選抜漆苗の見本林計画「茨城夢プラン」への支援事例などを、理事の佐々木より紹介いたしました。

理事の佐々木によるご挨拶とスピーチ

また、2022年から始まったこのオスマンサスプロジェクトは、ロクシタンマーケティング本部基金担当の中原様による「輪島塗とコラボレーションして何かを生み出し、漆の魅力を発信できないだろうか」という一声をきっかけに始まったもの。取り組みに至るまでの経緯やその後の成果についてもお話いたしました。

振り返ると、両社のご縁をお繋ぎできたことは必然であったと確信しています。
NPO法人ウルシネクストの役目は「漆と社会をつなぐ」こと。すなわち、私どもがご縁を結ぶ接着剤、「漆」になるということでもあるからです。

最後に中室社長より、感謝の辞とともに、輪島復興の状況報告、輪島塗の伝統継承に向けて決意のスピーチが述べられました。
震災は能登の人々に言葉を尽くせないほど耐えがたい苦難をもたらしました。また、復旧が遅れていることで未だつぶれたままの家屋が残り、人々は不自由な生活を余儀なくされています。
能登の伝統文化である輪島塗を守ることは、めぐりめぐって能登の人々を守ることに繋がります。
「知慧と工夫とものづくりの喜びを忘れることなく、これから一歩、二歩と踏み出し、歩んでまいります」
関係者の胸を打つ、印象的なお言葉で結ばれました。

能登は、今後「復旧」にとどまらず、特色ある生業(なりわい)の再建などを柱として、被災前よりもさらに良い地域づくりをめざす「創造的復興」を掲げています。
それは、周りの協力体制が継続してこそ実現するものです。
伝統工藝は、長い歴史の中で、自然災害など多くの困難に直面し、その度に乗り越え受け継がれてきたものです。それこそが、伝統工藝の“伝統”といえるのではないでしょうか。
皆さまの「これからも輪島塗を、輪島屋善仁を応援していく」という念いに満ちて、フォーマルながらとてもあたたかいセレモニーでした。

のと塗師屋 和と輪のこころ 希望とならむ

より堅牢な輪島塗文化が再生すると信じて、昨年1月に詠んだ拙句をここに書き留めます。

執筆者プロフィール

中根多香子
中根多香子
漆芸プロデューサー / 箸文化大使

JAL国際線CA・要人接遇を経て、YUI JAPAN設立。「うるしのある麗しいくらし」をテーマに、心豊かなライフスタイルを提唱。美しい伝統を大切に、輪島塗、和の作法など日本の美意識を国内外へ伝え続けている。ウルシネクストパートナーとしてSDGsにも注力、漆を通じて平和で持続可能な社会を目指している。

公式Webサイト
https://yuijapan.jp

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