金継ぎ教室 「淘」の展覧会へ

ウルシネクストの仲間、平野君子さんが主宰されている、金継ぎ教室 「淘」の展覧会に伺いました。平野さんは金継ぎの先生で、「丹沢漆の里ムーブメント」の発起人でもあり、秦野での漆植樹活動をご一緒しています。

左から中根、平野先生、佐々木(於 市ヶ谷 一口坂ギャラリィ)

「金継ぎ」とは、陶器などの割れや欠け、ひびなどを漆で繋ぎ、金を施して修復する日本の伝統的な技法です。茶の湯が盛んになった室町時代に発展したといわれています。
良いものを長く大切に使い続けるという考え方、修復の痕をあえて見せることで、新たな美的価値を与えるという概念が、世界中の人々の心を捉え魅了しています。
今や「KINTSUGI」は日本語由来の語として、オックスフォード英語辞典に掲載されるほど有名になりました。

生徒さんの作品は各自の装飾で個性豊かに展示されており、いずれも興味深く拝見。作品紹介文には、蘇ったうつわへの想い、金継ぎを通じて得た気づきなどが記されていました。
金継ぎには「うつわを再生する力」だけではなく、「精神的な繋がりを修復し、心を治癒する力」も備わっているようです。

特に印象的だったのが、こちらのホホジロが描かれたフランスリモージュのお皿です。金継ぎの景色がとても美しく、釘づけに。長く通われている生徒さんの絵心が発揮された渾身の作、まさに伝統×創造のアートですね。

作品は展示会の案内状に

ギャラリーの一角に、「丹沢漆の里ムーブメント×ウルシネクスト」の活動をパネル展示してご紹介いただきました。このパネルはウルシネクスト専務理事の佐々木が作成したものです。

パネルの近くには、平野さんによる金継ぎ作品と、ムーブメント発起人のおひとりで、漆植栽地の地主でもある高橋秦一郎氏による「丹沢ヒノキの漆椀」も展示されていました。ともにお人柄のあらわれた、あたたかく魅力的な作品です。

我々がお邪魔した時も、ひっきりなしにゲストが訪れ大盛況!
「金継ぎ」をきっかけに、「漆」という日本の文化が多くの方々に知ってもらえますように。
近い将来「URUSHI」も世界共通語になることを願って、我々も精進いたします。

平野さん、ご案内ありがとうございました。
今後も金継ぎ教室「淘」のご発展を心よりお祈り申し上げます。

執筆者プロフィール

中根多香子
中根多香子
NPO法人ウルシネクスト理事 / 漆プロデューサー / 和文化研究家

JAL国際線CA・要人接遇を経て、YUI JAPAN主宰。「うるしのある麗しいくらし」をテーマに、心豊かなライフスタイルを提唱。最上質の輪島塗を厳選してご紹介し、お誂え、商品開発も行う。漆工藝をはじめとした伝統文化に関する執筆、講演、ワークショップ、「和の作法」指導など活動は多岐にわたる。伝統を未来へつなぐため、「日本の美意識」を国内外へ伝え続けている。

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https://yuijapan.jp

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