漆を増やす、活かす、使う、残す活動を通じてSDGsに取り組み、持続可能な社会の実現に取り組むNPOです。
日本人は縄文時代からいくつもの時代に渡って漆の森を守り、漆という自然の恵みを上手に活かしてきました。漆は日本人に深く関わり、日本の文化、芸術、建築、生活を支え、そして古くから外国人を魅了する優れた工芸品を支えてきました。
その日本の漆が、今危機を迎えています。
国内需要の98%を海外からの輸入に頼り、国宝や重要文化財の修復に必要な漆すら国内で確保できない状況に陥り、日本の漆は風前の灯火です。このままでは日本が世界に誇る文化を未来に伝えることができなくなります。また伝統工芸品や漆器などの産業においても外国産漆に頼り切っている脆弱な構造で、漆が関わる伝統や技術も危うい状況にならないとも限りません。
私たちはこの問題を解決し、日本人の歴史、文化、そして誇りを守り、未来にしっかりと伝えていきたいと考えています。
一方で、いま世界はこのままでは持続できないほどの重大な問題を抱えています。
2015年、国連サミットにおいて193の加盟国が全会一致で、2030年に向けて持続可能な開発目標SDGsを採択しました。SDGsの17のゴール169のターゲットは貧困、飢餓、ジェンダー、エネルギー、まちづくり、気候変動、環境汚染など多岐に渡っていますが、いずれも持続可能な社会を実現するためには解決が必要な問題ばかりです。
漆はウルシの木の樹液という天然素材であり、安全で安心、きちんと育てることで何度でも再生が可能です。そして漆の利用によって自然環境を汚したり破壊することも、その採取から製品作りの工程において大量のエネルギーを使うこともありません。
私たちはこうした漆の優れた素材としての可能性と、古くから漆を育み樹液を採取し、それを生活、建築、文化、芸術などに活かしてきた日本人の知恵や、自然と共生した生き方がSDGsを達成し持続可能な社会の実現に貢献する可能性を信じています。
ウルシネクストは、漆を増やす、活かす、使う、残すという活動を通じてSDGsに取り組み、子や孫、未来の人々も幸せに生きられる自然と共生した持続可能な社会の実現を目指します。