NPO法人壱木呂の会さんの「クロメ会」に参加
9月15日(日)、16日(月)の両日、日本産漆を支援する「NPO法人壱木呂の会」さん恒例の「クロメ会」が行われました。今回が何と22回目の開催ということで、長年活動を継続してこられた理事長の本間幸夫先生や同会の皆さんのご尽力に、ただただ頭が下がる思いです。
漆を科学の分野から研究されている大学の先生や、大学院で漆についての研究を目指している学生さん、作家さん、ウルシ搔きさん、ネットで興味を持って初めて来られた一般の方など、約40人の参加者が集まり、とても賑やかな会となりました。ウルシネクストも同会の賛助会員として参加し、皆さんと交流を深めました。
初日は、漆の精製(クロメ)作業や、漆の草木染め、お箸づくりのワークショップなどを行い、また午前と午後に分かれて、本間健司さんによるウルシ搔き体験会などが行われました。
2日目は、神谷嘉美先生(明治大学 研究・知財戦略機構 研究推進員)による「黒色漆塗膜をつくる技術と光劣化」と題した講演が行われました。光による劣化の良し悪しの見え方が、漆の精製工程の作業に大きく関わっていることなどを科学的根拠に基づいて話され、経験をもとに作品づくりを行っていた作家さんたちからは、目からうろこで大変参考になったとの声が聞かれました。午後は、奥久慈漆生産組合顧問の神長正則さんによる漆畑や苗畑、見本林の中の優良選抜漆苗の見学、説明が行われるなど、漆に関わる者にとって毎回学びが多く、大変密度の濃い2日間でした。
この優良選抜漆苗の見本林のプロジェクトは、ウルシネクストがロクシタンジャポンさんとともに、その活動の一部を支援させていただいています。
壱木呂の会さんは、日本産漆のために、奥久慈漆生産組合さんとともに長年ウルシの見本林を維持し、日本各地のウルシ植栽に寄り添い、多大な支援活動も行われています。同会を支え、今期を持って理事長を退かれる本間幸夫先生に敬意を表するとともに、次期理事長の本間健司さんを中心とした新体制となる壱木呂の会さんを、ウルシネクストとしても微力ながら応援していきたいと思います。
クロメ会を企画運営された事務局の皆さま、大変お疲れさまでした! ありがとうございました。