ロクシタンWe Act投票による寄付金を活用した「伝統技術の継承」への取り組み – 第二弾
国宝、重要文化財の修復や漆器に代表される日本の漆文化は、ウルシを育てる人、漆を搔く人、漆液を精製する人、製作の工程では木地師、下地師、塗師、蒔絵師など、多くの職人と伝統的技術によって下支えされています。中でも国内需要の93%を中国産漆に依存している現在の国産漆の供給状況を変え、将来的にウルシ生産者や漆搔き職人が夢とやりがいを持って従事できるようにすることは、国産漆の安定供給や漆搔き技術の継承を左右する根本的かつ喫緊の課題となっています。
ロクシタンが6月を「Sustainability Month(サステナ月間)」と定めて行うWe Act投票「ロクシタンと一緒に、人と地球を考える。」で、昨年ウルシネクストがエントリーした「伝統的技術の継承」部門に寄せられた、一人一人の想いが込められた寄付金を、今回はこの「国産漆の供給状況を変える取り組み」に活用させていただきました。
その取り組みは、優良選抜漆苗の見本林「茨城夢プラン」。
NPO法人壱木呂の会と奥久慈漆生産組合が中心となって行っている合同プロジェクトです。国産漆の供給状況を変えるためには、ウルシを植栽し、育成管理し、増産に繋げる必要がありますが、それは同時に人的労力と経費負担の増加を許容できないと達成できないのが現状です。
「茨城夢プラン」では、長年のウルシ林造成等の研究の蓄積から、通常1シーズンにウルシの木1本あたり約180~200ccの漆を採取できると言われているところを、その2~3倍多く採取できる「優良品種」を特定することができました。「優良品種」は将来の漆掻きの効率化と漆液の安定供給を画期的に変えていく可能性を秘めています。現在、この「夢プラン」の実現を目標に、昨年11月から優良選抜漆苗100本による見本林造成の取り組みを始めています。
優良品種を増やすことは、ウルシ生産者にとっての付加価値向上、漆掻き職人にとっての収入改善につながり、漆掻き技術の継承や後継者の育成にも大いに役立つことから、ウルシネクストとロクシタンは、この「茨城夢プラン」推進にかかる費用の一部を支援させていただいています。
6月下旬、ロクシタンとともに常陸大宮市を訪れ、壱木呂の会、奥久慈漆生産組合の皆さんと共に、支援のシンボルとして設置された看板と、ロクシタンがオーナーとなったウルシの木5本が植えられている見本林を視察しました。