森村学園初等部の映像制作チームの漆の取材をアテンドしました。

先月、森村学園初等部6年生の生徒さんから、何とウルシネクストに相談がありました。

何でも、学校の課外授業で漆や金継ぎについて調べており、KWN(注)の映像制作コンテストに応募するため、「ウルシの木や漆についての取材、もしくは漆搔きの見学ができるところをご存じないでしょうか?」という内容。。。詳しく伺ってみると、応募まであまり時間がなく、思いのほか急ぎの様子だったので、早速、日頃からウルシネクストの活動でお世話になっている奥久慈漆生産組合顧問の神長正則さんと、地元在住の漆芸作家、本間健司さんに相談し、取材受け入れに協力していただけることになりました。

(注)キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)は、小・中・高等学校レベルの子どもたちを対象とした、教育支援プログラムです。映像制作を通じて、創造性やコミュニケーション能力を高め、チームワークを養うことを目的としています。パナソニックがアメリカで1989年にスタートし、現在ではグローバルに展開しています。日本では、2003年より活動を開始しました。コンテストを毎年開催し、優秀な作品を表彰しています。【Panasonic Group ホームページより】

森村学園は、100年以上の歴史を持つ共学の伝統校で、初等部は、KWNコンテスト小学生部門で2021年度に最優秀作品賞/伝統発見賞「作品名:Present-未来へ繋ぐ芸術のリレー」を受賞しています。その初等部の映像制作チームが、今回、漆をテーマに映像を作るということで、漆搔きのシーズンは終了していますが、取材日程を調整し、生徒さんたちの熱意に応えるために出来る限りの協力をさせていただきました。

早速、12月14日(土)に取材決行! 当日はコンテスト参加メンバー(生徒12名と先生)の中から、4名の生徒さんと保護者の方3名が付き添い(先生の都合が付かなかったため)、計7名の皆さんが常陸大宮市を訪れました。

初等部4名の取材メンバー

当日は、お昼過ぎに最寄りの下小川駅で皆さんをお迎えし、本間さんの工房で奥様のご協力のもと、ご用意いただいたお弁当を食べながら取材内容を確認。その後、本間さんより木地づくりや塗り、乾燥など漆器制作の工程についてのお話を、ウルシ林や苗畑では、神長さんによるウルシの生産や良いウルシの育て方に関するお話と、本間さんによる漆搔きの実践などを、短い時間でしたが精力的に取材していただきました。

 

 

本間健司さんの工房で奥様のご協力のもと、改めてお出迎え

Panasonicの4Kカメラをセットする取材陣

本間さんの解説をもとに木地づくりの様子を取材

漆液や色漆の作り方について本間さんよりレクチャー

本間さんによる漆搔きの様子を撮影取材

取材陣の眼差しは真剣そのもの

漆搔きのシーズンは過ぎているが、搔くとまだまだ漆が滲み出てくる

取材の後、4名全員漆搔きを体験

神長さんよりウルシの生産方法やウルシ苗の作り方などについて説明

神長さんが手掛けている、縦横斜めに等間隔に綺麗に植えられたウルシ林

取材のまとめとして、工房に戻り生徒さん4名による質問タイム。漆に興味を持ったきっかけや、漆の魅力、将来のビジョンに至るまで、中には専門的な質問もあり、本間さん、神長さんとも、生徒さんたちの知識や切り口に感服していました。

神長さん、本間さんに順番に質問をする取材陣と後ろで見守る保護者の皆さん

ちなみに前週の12月7日(土)には、ウルシネクストと協働で秦野市でウルシ畑を管理している有志団体「丹沢漆の里ムーブメント」の平野君子さん(「金継ぎ教室 淘」主宰)を、ヤビツ峠レストハウスで取材していただきました。

年明けの1月には編集を終了しコンテストに応募するとのこと。子供たちの視点で、漆をテーマに社会課題などにも触れて、どのような作品にまとめ上げるのか、今からとても楽しみです!

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