国宝・重要文化財の修理に関わる講演会と修理現場の見学会に参加!

日本漆アカデミー主催、国宝・重要文化財の修理に関わる講演と修理現場の見学プログラムに参加しました。
場所は地元で「おせんげんさん」と呼び親しまれている静岡浅間神社。総漆塗りで極彩色の壮大な社殿群は、江戸末期を代表する神社建築として 26棟が国の重要文化財に指定されています。

雨に濡れ黒光りする屋根も漆塗り

1日目の講演では、文化財建造物の修理と使用される自然素材について、国産漆の特性と評価など、有識者の方々によるアカデミックなお話を伺えて大変勉強になりました。
日本産漆と外国産漆に甲乙つけるものではなく、それぞれの特性を良く知り、適材適所で活かしていくことが大切です。
また、輪島でご活躍の漆芸作家さんからは、輪島の現状と課題についてもお話いただき、関係者一同「それぞれが今できること」を再考する有難いひと時となりました。

東海の日光と称えられている静岡浅間神社

2日目は修理現場の見学へ。静岡浅間神社は「平成令和の大改修」 として、24年かけて大がかりな化粧直しをしています。
禰宜(ねぎ)宇佐美洋二氏のご案内で、40年ぶりに漆・彩色の塗替えたばかりの楼門(重要文化財)などを拝見。
ここでは建築物のあらゆる場所、特に上塗り部分に国産漆が多用されています。また、漆は金箔を貼る接着剤としても使われています。

水呑の龍

今回のハイライトは重要文化財のひとつ「大拝殿」の現場見学。ヘルメットを被って足場を渡り、いざ内部へ。現場では大きな舞良戸(まいらど)や天井を研いだり塗り直したりといった補修作業の真っ最中でした。漆器づくりと同じように、塗っては研ぐ作業を幾度も繰り返し、あの麗しく神々しい漆塗りが完成します。

全国から選ばれし腕利きの漆職人さん達が、文化財と一心に向き合う姿。そしてその手仕事の結晶ともいえる壮麗な拝殿を目の当たりにして感動しきり。こうやって美しい伝統が未来へ継承されていくのだと思うと、胸が熱くなりました。

特別に掲載許可をいただきました

このような貴重な体験と、漆のご縁が繋がる機会を設けてくださった日本漆アカデミー様、オクシズ「漆の里」協議会様には心より感謝申し上げます。
私たちウルシネクストは伝統技術の継承を願い、これからも「漆と社会をつなぐ」取組みを続けてまいります。

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