危機的な日本の漆を守るため、漆の森づくりにご支援ください

ウルシネクストは、NPO活動の一環として、漆の森づくりの取り組みを行っている地域に対し、苗木の提供や植樹の支援を行っています。

2019年の植樹支援
岩手県盛岡市上米内
福島県飯館村

日本の漆が危機的な状況です!

国宝や重要文化財の修復に必要不可欠な国産漆の⽣産は年々減少の一途を辿り、昭和26年に33,750kgだった漆の生産量は、平成28年には僅か1,265kgまで落ち込んでいます。その結果、漆の自給率は3%程度で、その大半を中国に依存しているのが現状です。今や、国宝や⽂化財の保護、伝統⼯芸の継承が危機的状況にあるのです。

平成27年に文部科学省より、平成30年以降、国宝、重要文化財の修復に使用する漆を国産に限定することの決定がなされました。しかし、修復に必要とされる漆が年平均2.2tと試算される中、平成28年の生産量は約1.2tのため、必要な供給量を達成するには、単純計算で毎年約1tの増産が必要となります。
加えて国産漆を必要としているのは修復だけではありません。漆器に代表される伝統工芸文化など、先⼈達が守り続 けた⽇本の歴史、⽂化、芸術、技術を次世代に繋げていくためには、国産漆を安定的に生産、供給していくことが不可欠となります。

今、取り組まなければならないのは「ウルシの木を植え、増やす」ことです。

※参照:『特用林産基礎資料』林野庁、岩手県二戸市資料 

長期的取り組み、従事者への支援が不可欠

ウルシの木は自生しない樹木であるため、人が植樹をし管理をしなければ増やすことはできません。1本の成木になるまで10年から15年を要する一方、育ったウルシの木から採れる漆の樹液は1本あたり200ml (牛乳瓶1本分) 程度で、採取後にその木は役目を終え伐採されてしまいます。つまり毎年継続して植え続けないと、増えないばかりか、現状の本数も維持することが出来ず、いずれ日本からウルシの木の資源は消滅してしまいます。

最近では、主要産地の岩手県や、震災による耕作放棄地の活用を模索している福島県などで、漆の振興の必要性に共感し、過疎化する地域の活性化にも繋げようと、植樹活動の取り組みを行う動きも出てきました。しかしながら、ウルシの苗を植え、育て、管理していくためには、ウルシの種または苗の調達、植樹ボランティアの確保、管理・育成ノウハウの共有など、長期にわたり様々な面で支援を必要としているのが現状です。

ウルシネクストは、このような各地域が抱える課題をできる限り一元化し、従事者が持続して取り組めるよう、NPO活動の一環として、まずは苗木の提供や植樹の支援を行っています。

苗木提供のためのご支援をお願いします

2020年は昨年から取り組みを始めている地域に対し、秋の植樹に向けて2,000本を目標に苗木を調達し提供します。

来年度以降もこの支援は継続し、支援の地域も全国に増やしていきます。

皆様のご支援は、漆の森づくり、漆の産地育成、地域振興に大変役立ちます。

岩⼿県盛岡市上⽶内 /藪川

地元が中⼼となって漆の産地に育てるべく、「漆の振興と地域活性化を両⽴する⾥⼭づくり」を⾏っています。

福島県飯舘村

震災による耕作放棄地を活⽤して、農作物に代わる新たな産業育成として漆の産地化を目指しています。

代表者からのお願い

先人たちから受け継いだ漆の文化と伝統を次の世代に伝えていく、そして漆をもっと社会のために役立てたい、それが私たちの思いです。

ただ、木を育てて漆の樹液を採るまでには、相当の手間と長い時間がかかります。日本から漆が消滅しないよう、まず私たちはウルシの苗⽊を植えて育て、漆を増やすための環境を整えることから取り組んでいます。

持続させていくためには多くの方のご理解とご支援が必要です。どうぞ私たちの活動をご支援ください。よろしくお願い致します。

NPO法人ウルシネクスト
理事長 柴田幸治

ご寄付のご案内

漆の森づくりのご寄付は、内閣府認定の「公益財団法人お金をまわそう基金」で受け付けています。
基金を通じたご寄付は全額ウルシネクストに届けられます。

公益財団法人お金をまわそう基金を通じてご寄付いただくと、税法上の優遇措置を受けることができます。