昔の漆の産地を調べてみました

かつては日本中で漆が採られていたそうですが、ではそれはどこなのか?それを知りたくて調べてみました。

明治40年出版の「実用漆工術」という書物には武井藤助氏の生漆標品に係る産地として次の30ヶ所が紹介されています。

追記:地図にまとめてみました。

漆液の産地30ヶ所

  • 丹波
  • 吉野
  • 相模足柄
  • 越後岩舟
  • 武蔵秩父
  • 上野南甘楽
  • 常陸那珂
  • 下野那須
  • 三河南設楽
  • 甲斐南巨摩
  • 美濃郡上
  • 飛騨吉城
  • 信濃下伊那
  • 陸奥二戸
  • 陸奥南津軽
  • 羽後山本
  • 羽前南村山
  • 加賀石川
  • 能登鳳至
  • 越中砺波
  • 越前今立
  • 稲葉智頭
  • 備中川上
  • 安芸高田
  • 紀伊那賀
  • 阿波美馬
  • 伊予宇摩
  • 豊後日田
  • 日向北諸県
  • 薩摩鹿児島

この中で吉野の漆がもっとも有名で貴重だったようです。

また産地ごとの特徴も次のように紹介されています。

  • 相州→乾きが速い
  • 奥羽→乾きが遅い
  • 米良→色が黒い
  • 津軽→赤色を帯びている
  • 南部→白い
実用漆工術漆産地1
実用漆工術漆産地2
previous arrow
next arrow

国立国会図書館デジタルコレクションより

執筆者プロフィール

柴田幸治
柴田幸治
特定非営利活動法人ウルシネクスト 理事長

お気軽にお問い合わせください

ウルシネクストは、国産漆を増やし、漆を通じて地域活性化に繋げる活動を、地域の皆さんと一緒になって取り組んでいます。今後計画を予定している、または関心を持たれている方は、お役に立てることもあると思いますので、是非お気軽にご相談ください。