共同研究

NPOウルシネクストは、公立大学法人宮城大学、事業構想学群　価値創造デザイン学類の教授であり、ウルシネクストの技術顧問でもある、乾漆研究の第一人者土岐謙次教授とともに、天然素材100%の乾漆シートを利用したプラスチックフリーカードの社会実装に取り組んでいます。

開発の狙いは、漆のプラスチックフリーカードの普及を通じて国産漆の生産や漆の新たな取り組みへのチャレンジを支援し、未来に向け、産業としての持続的成長に貢献する仕組みを構築すること、にあります。

漆を取り巻く環境は、圧倒的に低い国産漆の自給率、国内消費量の減少、深刻な後継者・従事者不足などによって、投資の魅力に乏しく、民間参入や技術発展が進んでいないのが実状です。

そこで漆は、特別な工芸品から脱却し、新たな生産技術とデザインで素材と技術と人間の関係を更新した「新たな付加価値の現代プロダクト」として、漆を社会に発信し、普及の裾野を広げていくことが必要だと考えています。

カード自体が一般消費者にとって身近な存在であり、事業体(企業等)を通じ一定規模の流通量への期待ができることから、漆のプラスチックフリーカードは、漆との接点を増やし、漆の多様なあり方を提案する、いわば「媒体」と捉えています。

環境負荷の低い、循環型の植物性素材である漆は、SDGs時代に相応しい日本独自の素材であり、CO2の削減・地産地消にも繋がるESG投資の一環として企業活動との親和性の高い素材でもあります。

私たちは、漆のプラスチックフリーカードで、事業体・消費者・生産者/従事者がwin3となる新しい仕組みを考えています。本主旨にご賛同いただき、一緒に漆のプラスチックフリーカードの社会実装に取り組んでいただける事業パートナー（技術開発、販売、活動への支援）を求めています。