日本の宝「漆」を次の世代に繋げたい

漆の国内消費量は1980年は450トンでしたが、2018年には37.7トンまで減少しました。国産漆生産量は1980年は6.6トンでしたが、2013年には1トンまで減少しました。いずれも過去最低です。
2018年には産地の努力で生産量は1.8トンまで増えてきていますが、国宝・重要文化財建造物の保存修理のためだけでも、今後80年で毎年平均で2.2トンの国産漆が必要です。漆器に代表される伝統工芸文化など、先⼈達が守り続 けた⽇本の⽂化、芸術、技術の分野での用途も含めると、圧倒的に足りません。

1トンまで減少した2013年の国産漆の自給率は僅か2.6%でした。2018年は、輸入量や消費量の減少もあり、相対的に5%に増えました。それでも95%近くは中国産漆に頼っているのが日本の漆産業の現状です。しかし、その中国も経済発展に伴い、漆掻き職人の減少が問題になってきています。

日本の漆文化が中国依存のままで良いのでしょうか。

ウルシネクストは、依存し過ぎてきた過去を、将来のために変えたいと思っています。日本の漆文化を守り、世界に向けて漆の魅力、需要を広めていくためには、中国産漆と共存はこれからも必要です。しかし、未来のために国産漆の増産は喫緊の課題です。ウルシノキを育て、漆の樹液を安定的に生産、供給していくためには、時間と労力がかかります。安全・安心・エコな素材としての価値の見直しや、現代の生活様式に合った新たな使い方の提案など、需要と供給の底上げを社会との繋がりの中で再構築していく、百年先を見通した長期的な取り組みが不可欠と考えています。

日本の宝「漆」を次の世代に繋げたい。
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