2019.10.30 漆掻き道具 その7|漆掻き技術(11) Tweet 皮はぎ 『日本の民具』から 現在の漆掻き道具にいたるまでの、道具の形はどのように変化してきたのかと考えることがあります。そして、できることなら実際に目にしたいと願っています。しかし、消耗品であり、一般に忘れられた存在でもある漆掻き道具は、その変遷を明らかにできない状況です。 7月、民具の写真集(『日本の民具 第三巻 山・漁村』昭和41年 慶友社)の中に「皮はぎ」を見つけました。採集地は不明ということです。 現在ではカワムキやウルシカマと呼ばれるものの、以前の形状であろうと考えられます。柄からまっすぐ上にのび(この部分に刃がつくかどうかは確認できません)、直角に左に曲がって刃がつくものです。刃の向きが手にする柄と直交するということは、樹皮を上方から下方に向かって削る際には手際よく用いられるだろう。ただし、樹皮の凹凸やふくらみには対応しにくいものではないか。また、樹幹に向かって持ち手を変えることなく樹幹の右側と左側を作業できるか、不安なところです。 現在のカワムキは鎌状に湾曲して刃がついています。そして、薄い作りであることから、同一場所で柄の持ち方を変えることなく作業を進めることができるのです。 鉋 「鉋の今昔」 昭和63年、京都丹波で漆シンポジウムがあり、この折の展示の中に「鉋の今昔」というものがありました。手に取ってみることは出来ず、写真一枚が手許に残ります。左は最古のもの、中は少し古いもの、右は現在のものと説明がありました。 現在の漆掻き道具は最良のものとは考えません。縄文時代は石器などの利用で樹皮に傷つけたものだろう。やがて金属に変わり、ウルシカンナの発明・改良については漆掻き道具 その2,その3で触れたとおりです。漆の長い歴史の中では今後の改良は充分に予想されます。その折、古くからの漆掻き道具の変遷をたどることは、有益な情報をもたらてくれるに違いありません。古い漆掻き道具の情報をお寄せください。 執筆者プロフィール 橋本芳弘 昭和30年 青森県三戸郡新郷村谷地中に生まれる。 昭和52年 弘前大学 工業試験場 漆工課卒業 昭和52年~ 教職に携わり夏休み中に全国の漆産地を行脚 平成8年~ 平成21年度青森県史編纂調査研究員(文化財部会推薦) 平成28年~平成31年3月 青森県新郷村教育委員会教育長 Tweet この記事のタイトルとURLをコピーする 漆掻き道具 その6|漆掻き技術(10) 前の記事 ウルシノキの品種について 次の記事